2020年8月25日、金融庁が、「米国・ケイマン・ルクセンブルグ籍のオープンエンドファンドのパフォーマンス調査」を公表した。
米国籍、ルクセンブルク籍、ケイマン籍のオープンエンドファンド(ETF、MMF除く、償還済み含む)のうちオールデストシェアクラス(最も設定が古いシェアクラス)が対象。
基本指標としてシャープレシオ・累積リターン・コスト、参考指標としてインベスターリターン・純資産額を集計している。
シャープレシオは、リスク1単位当たりの超過リターン。
累積リターンは、ある一定期間(例えば、3ヵ月や6ヵ月など)について過去の騰落率を計算したもの。
インベスターリターンは、投資信託の売買によって投資家が実際に得た平均的なリターンのこと。投資信託をいつ買い、いつ売るかは投資家によって違う点が考慮されている。
結果以下の点が判明した。
・運用会社を「低コスト25社」と「高コスト25社」に分け、5年シャープレシオと5年累積リターンの、全ファンド平均に対する勝率の毎年の推移を見た。
すると、米国籍とルクセンブルク籍いずれも低コスト25社が上回る傾向が見られた。
低コストが優位性を示す結果だ。
・5年シャープレシオ(SR)に基づき「SR上位25社」と「SR下位25社」に分けた上で、本数と純資産額の平均を計算し、毎年の推移を見た。
直近では米国籍とルクセンブルク籍、いずれもSR上位25社の本数と純資産額が、いずれもSR下位25社を上回った。
規模が大きい主力ファンドが、高い運用効率を維持しているのことが分かる。
・運用会社を純資産額に基づき「残高上位25社」と「残高下位25社」に分け、5年インベスターリターンの、全ファンド平均に対する勝率を見た。
2020年は米国において、残高上位25社が全体に加え、資産別でも残高下位25社を上回った。
大手運用会社が顧客利益の観点からも優位であることが伺える結果だ。
・5年インベスターリターンの、全ファンド平均とインデックスファンド平均を比較した。
米国籍全体では、インデックスファンド平均が上回る結果となった。
インデックスファンドは、積立など投資タイミングを選ばない運用手段として活用されていることが背景にある。
調査からは、低コストの優位性、大規模ファンドの運用効率、5年インベスターリターンを見たときのインデックスファンドの高成績といった傾向を知ることができる。
これらの傾向から、投資信託選びのヒントが得られそうだ。
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