2021年2月26日、金融庁が、「安定的な資産形成に向けた金融事業者の取組み状況(2020年12月末時点)」を公表した。
安定的な資産形成には、長期・積立・分散投資が有効であると考えられる。
これを実現するためには、資産形成に適した金融商品・サービスを顧客の立場に立って提供する金融事業者を選択することが重要だ。
そこで金融庁は 2017年3月に「顧客本位の業務運営に関する原則」を策定し、「原則」を採択した各金融事業者の取組みの見える化を促進してきた。
各金融事業者は、投資信託のリターンに関連する各社比較可能な情報(共通KPI)を公表している。
「共通KPI」は次の3つ。
(1)投資信託の運用損益別顧客比率
(2)投資信託の預り残高上位20銘柄のコスト・リターン
(3)投資信託の預り残高上位20銘柄のリスク・リターン
ここでは今回公表された「(1)投資信託の運用損益別顧客比率」をみてみたい。
データからは次の2点のことが読み取れるという。
・2020年3月末時点で、運用損益がプラスとなっている顧客の割合(金融事業者286社の単純平均)は3割。
新型コロナウイルス感染症の影響による市場の変動を受け、19年3月末時点と比較しておよそ半分程度に減少した。(図4)。
・全ての金融事業者が、市場の変動の影響を同様に受けているが、顧客の運用損益への影響の度合いは事業者によって異なる。
投資運用業者は、運用損益がプラスとなっている顧客の割合が比較的良好な水準であった(図5)。
資産形成を始める際には、投資信託選びや、金融事業者選びが必要となる。
金融事業者選びについては、参考にすべき重要な指標として、金融庁が共通KPIを定めている。
公表された共通KPIを使って比較すると、より客観的な選択が可能になるだろう。
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