2023年2月14日、アントレが、就職氷河期世代の実態調査の結果を公表した。
アントレは、独立開業支援サイト「アントレ」を運営する企業。
調査では、就職氷河期世代を1971年~1980年生まれの40代(現在41~50歳)と定義し、年代別、性別、学歴別による比較を行った。
調査期間は、2022年10月13日〜11月1日。アントレに会員登録をしている20代以上の男女を対象に調べた。有効回答数は、166名。
主な調査結果は次のとおり。
・【現在】正社員率が氷河期世代の男女ともに他世代を逆転(他世代比:男性+3.7%/女性+10.5%)
・【希望の働き方】氷河期男性は独立意向(63.8%)が高く、女性は副業意欲(38. 5%)が最多
・【希望の働き方実現】ロスジェネは「1年以内に行動予定80.0%」で他世代67.0%より高い行動力
・【現職不満層の希望】氷河期世代は個人事業主(42.1%)、他世代では正社員(60.0%)が最多
・【新卒時の正社員率】年代別は氷河期女性(53.8%)の不遇さ、非大卒が顕著
・【学び直し】他世代と比べ氷河期男女ともに意欲が顕著、自分のキャリアへの向上心が高い
従来、新卒就職は「正社員一択」という雇用形態が当たり前だった。
しかし氷河期世代では、正社員での就職が難しく、非正規、アルバイト・パートなど多様な形で社会人経験をスタートさせている。
このことが、ファイナンシャルプランの見通しを難しくしてきた可能性が考えられる。
今回の調査では40代になった氷河期世代の現状を、ほかの世代と比較している。
特徴として見られるのは、転職を繰り返して正社員になっている人が多いということ。
個人事業主・フリーランス・自由業、副業などへの関心が高いという特徴も見られた。
ほかの世代と比べて、リカレント教育にも関心が高い。
同社では、現在の氷河期世代について、「正社員一択という働き方の固定概念を払拭し、他の働き方選択肢を広げる結果となっており、コロナ下の不安定な時代でも働き方の変化を恐れない人材に成長しているといえるかもしれない」とまとめている。
働き方の多様化や、リスキリングが注目されている時代。
就職氷河期を経験した世代は、新しい時代に順応しやすい可能性があり、ポジティブな面が再評価されるかもしれない。
これから現れる新たなライフプラン・ファイナンシャルプランのモデルのいくつかは、氷河期世代・ロストジェネレーションが持つ人生設計の中に見出されることになりそうだ。
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